車の電子制御が進化!整備士が覚えるべき最新技術まとめ【2025年最新版】

車の電子制御が進化!整備士が覚えるべき最新技術まとめ【2025年最新版】

自動車の世界は今、大きな技術革新の真っただ中にあります。
エンジン、サスペンション、ブレーキ、ハンドル… すべての機構が電子制御化されつつあり、さらにEVや自動運転の登場で整備の現場も激変しています。

そんな中、今の整備士に求められるスキルはどんどん変化しています。
今回は、これからの整備士に必要な「ハイテク時代の整備スキル」について詳しく解説します!


電子制御って具体的に何が変わるの?

かつての車は「整備=機械整備」でした。ところが現在は、整備の中心にコンピュータ(ECU)が存在します。

ECUとは?

Electronic Control Unit(電子制御ユニット)の略称。車1台に数十個以上搭載され、以下のような制御をしています。

  • エンジン出力調整
  • 燃料噴射制御
  • ブレーキ制御(ABS・ESC)
  • ステアリングアシスト
  • 衝突防止・車間距離制御
  • 自動駐車支援
  • バッテリー残量管理(EV・HV)

整備士は今や「部品交換職人」から「電子制御診断エンジニア」に進化しているのです。


診断機を使いこなせるかが今の整備士の命

電子制御車の整備で必須になるのが診断機(スキャンツール)です。

メーカー純正診断機の重要性

  • 故障コード読み取り
  • 故障予兆の検出
  • ソフトウェアバージョン確認
  • 設定初期化・キャリブレーション

たとえばブレーキパッド交換でも、電子パーキングブレーキの解除操作が必要。診断機を通さないと作業そのものができません。

汎用診断機 vs 純正診断機

項目 汎用診断機 メーカー純正診断機
価格 数万円〜 数百万円
対応車種 複数メーカー対応 自社専用
診断精度 故障コード読み取りまで 各部品単位で細密診断可能
プログラム書き換え 非対応 最新更新対応

ディーラー整備が強いのはこの診断機能力の違いです。


EV・ハイブリッド整備は別次元の技術が必要

特に今後中心になるのが高電圧車両整備です。これまでの内燃機関車整備とはまったく異なります。

高電圧車両整備のリスク

  • バッテリーパック:数百ボルト
  • 絶縁不良事故の危険性
  • 感電・火災リスクの管理

必要資格「高電圧電気取扱資格(低圧電気取扱特別教育)」

  • 講習受講+資格取得が必須
  • 作業時の絶縁装備義務化
  • 安全確認手順の厳格化

今後の整備士は電気技術者的スキルも必要なのです。


自動運転支援(ADAS)整備はさらに難易度UP

最近の新車はほぼ全車種にADAS(先進運転支援システム)が標準装備されています。

ADASの整備項目例

  • 前方カメラの調整(エーミング)
  • ミリ波レーダーのキャリブレーション
  • 衝突防止・車線逸脱補正
  • 自動ブレーキ調整

ADAS調整に必要な専用設備

  • 正確なターゲット設置用治具
  • キャリブレーションソフト
  • レーザー距離測定器
  • 水平精度確認ツール

これらの専用設備が揃うのはディーラー整備が中心です。


整備士が今後必ず学ぶべき新スキル一覧

  • 故障診断プログラム操作
  • 高電圧バッテリー診断・安全取扱
  • ADASエーミング作業
  • ソフトウェアアップデート(OTA対応)
  • CAN通信システム理解
  • サイバーセキュリティ知識
  • 海外規格(ISO 26262等)理解
  • OTA障害時の障害切り分けスキル

今後の整備士はエンジニア職・IT職の要素が急激に高まることは間違いありません。


整備士不足の背景にはこの技術進化もある

以前の記事で解説したように、日本の整備士不足は「3K(きつい・汚い・危険)」イメージだけが原因ではありません。

「学ぶべきことが増えすぎている」これも大きな要因です。

  • 覚える知識量の増大
  • 新技術の移行速度が速い
  • 診断機操作の習熟難度
  • 資格講習の増加

若手整備士志望者の中には「整備士=機械いじり」というイメージとのギャップで離れてしまう人も増えています。


外国人整備士が伸びている理由も技術吸収力にある

最近ワーゲンなど大手ディーラーでは外国人整備士の採用が加速しています。

なぜ外国人整備士が今増えている?

  • 日本の整備技術を学びたい高意欲人材が多い
  • 母国で既に国家整備士資格を保有している即戦力が多い
  • 新技術への適応が早い若手中心
  • 多国籍対応はグローバル展開にも有利

メーカー研修を受けた外国人整備士は、むしろ電子制御車整備に強い傾向も出始めています。


今後の整備士はこうなる!未来予測

過去の整備士 これからの整備士
オイル交換・機械整備中心 電子制御・診断作業中心
重整備・分解組立 ソフト更新・通信診断
経験重視 資格+学習意欲重視
ローカル技術 グローバル共通資格

ハイテク整備士は「手に職」以上の専門職に進化していくことは間違いありません。


若手にこそ整備士はおすすめの「将来性ある職業」

「整備士=人気がない」というイメージを持たれがちですが、今の整備士は全く違います。

  • EV・自動運転社会で整備士需要は逆に高まる
  • AIでは代替できない現場スキルが残る
  • グローバルに活躍できる国際資格化の流れ
  • 収入も技術専門職として上昇傾向

IT職と整備職のハイブリッド型職業として、整備士は今「将来性ある安定職種」に進化しつつあります。


まとめ:これからの整備士は「パソコンと向き合う整備職」になる

  • 整備士不足の原因は技術進化の加速も大きい
  • 診断機スキル・高電圧対応・ソフトウェア知識が必須化
  • EV・ADAS整備は専用設備が鍵を握る
  • 外国人整備士の採用加速は技術適応力の高さが背景
  • 整備士は「IT×現場力」のハイブリッド職業へ進化中

今から整備士を目指す人にも、大きな可能性と安定収入の未来が開かれています!


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