【匿名取材】外国人整備士は本当に大丈夫?現役整備士が語るリアルな現場の裏話
最近、自動車ディーラーを利用した際に「外国人整備士が増えてきた」と感じた人も多いのではないでしょうか?
整備士不足が深刻化する中、外国人整備士の採用は多くのメーカー・ディーラーで進んでいます。
しかし、実際の整備現場ではどんな仕事ぶりなのか?
「外国人整備士って本当に大丈夫?」「技術面で不安は?」と感じる方もいるはず。
そこで今回は、現場で活躍するディーラー整備士の現役スタッフ2名に匿名で取材を実施。
リアルな現場の裏話を交えながら、外国人整備士の実態を徹底解説します!
整備士不足は想像以上に深刻だった
まず背景にあるのが整備士不足問題です。
- 若者の車離れ
- 3Kイメージ(きつい・汚い・危険)
- 高齢化によるベテラン整備士の引退
- 新技術習得の難易度上昇
厚生労働省のデータでは、整備士有効求人倍率は常に2倍以上。
つまり「整備士になりたい人の2倍以上の求人が出ている」状態が続いています。
この穴を埋めるために各ディーラーが動き始めたのが外国人整備士の採用です。
現役整備士インタビュー① 日本人整備士Aさん(30代男性)
Q:なぜ外国人整備士の採用が進んだと思いますか?
A:正直、人手が足りなかったのが最大の理由です。毎月の入庫台数に整備士の数が追いつかず、残業が当たり前になっていました。
Q:技術面で最初は不安はありませんでしたか?
A:最初は少しありました。でもメーカーの技術研修をしっかり受けて来ているし、日本語研修もかなり受けてから入社してきます。
実際の作業も一緒にOJTを組んでるので、未熟という感じはほぼありませんでした。
Q:どんな国籍の整備士が多いですか?
A:うちの店舗だとフィリピン、インドネシア、ベトナムの方が多いです。みんな若くて吸収が早いのが印象的です。
Q:外国人整備士さんの良い点は?
A:まじめで素直、技術向上意欲が高い。新しい電子制御技術にも柔軟に対応してくれます。
あと丁寧な作業報告をしてくれるので、お客様にも好評です。
Q:逆に課題や大変な点は?
A:文化や考え方の違いは多少あります。たとえば報告・連絡・相談のタイミングのズレは最初に教え込みます。でも時間が経てば自然に馴染んでます。
現役整備士インタビュー② 外国人整備士Bさん(20代男性・フィリピン出身)
Q:なぜ日本のディーラーで働こうと思ったのですか?
B:子供のころから日本車や整備技術に憧れていました。母国でも整備士資格を取りましたが、日本の整備技術は世界でもトップです。
Q:日本語の壁は大変でしたか?
B:最初は難しかったですが、渡航前に日本語学校で学びました。現場に入ってからも先輩が丁寧に教えてくれたので助かりました。
Q:日本の整備は何が難しい?
B:電子制御が多くて診断機操作が難しかったです。でもメーカーの研修で詳しく教えてもらえたので、今は得意分野になりました。
Q:今後どんな整備士になりたい?
B:電気自動車や自動運転車にも対応できる整備士になりたいです。日本の整備技術はこれから世界の中心になると思います。
メーカーの研修制度が徹底している
外国人整備士が高い技術力を発揮できる背景には、メーカーによる厳格な技術教育制度があります。
- 入社前の事前学習(国家資格+日本語教育)
- 渡航後の初期技術研修(メーカー教育センター)
- OJT現場実習(先輩整備士がペアで指導)
- 定期的なスキル認定テスト
- 日本整備士資格の取得支援制度
これらのカリキュラムにより、整備技術・日本語・接客スキルまで総合的に底上げされています。
外国人整備士だからこそ強い分野もある
① 新しい技術への順応が早い
電子制御・ソフトウェア診断などの新分野を最初から学んでいるため、むしろ適応力が高い傾向があります。
② 素直さ・向上心が高い
「学びたい」「成長したい」という姿勢が強く、細かな作業も妥協せず確認する文化があります。
③ 海外ディーラー出身で下地がある
母国ディーラーでの実務経験を持つケースも多く、実践的なノウハウを既に持っている人材も。
④ 日本人顧客に丁寧に対応しようと努力する姿勢
文化の違いを理解しようと努める真摯さも高く、接客クレームはむしろ非常に少ない現場が多いです。
現場の本音:外国人整備士へのユーザー評価は?
私自身も外国人整備士に何度か整備を担当してもらいましたが、以下のような印象です。
- 作業前後の説明が非常に丁寧
- 整備記録簿も細かく書かれている
- 不安があれば上司がすぐフォロー
- むしろ日本人以上に時間をかけてくれている場面も
整備技術そのものより、接客対応の丁寧さでむしろ「安心できた」と感じる場面が多かったです。
外国人整備士の採用は今後ますます進む
現在、自動車整備士の採用市場は以下の傾向にあります。
- 外国人整備士の技能実習制度 → 技能実習から就労ビザ移行が主流に
- 整備技術国際認証(国際技能資格)整備中
- 各メーカーの海外拠点から直接技術留学ルートを整備
- 高度人材ビザ・特定技能制度の活用拡大
外国人整備士=一時的な人手不足対策ではなく、既に恒常戦力化しつつあります。
【Q&A】読者が気になる疑問を総まとめ
Q1. 外国人整備士の資格は本当に信頼できる?
母国国家資格+メーカー研修+日本資格制度の3重取得が基本。技術水準は極めて高いです。
Q2. 日本語の説明は本当に大丈夫?
日本語教育を受けた上で現場に出ており、丁寧さ重視でむしろ好印象を持つお客様が多いです。
Q3. 保証や整備品質に違いは?
整備保証制度・点検記録などはすべて従来と同一水準で管理されています。
Q4. トラブル時は誰が責任を持つ?
基本はディーラー全体の品質保証範囲内。外国人個人の責任にはなりません。
Q5. 外国人整備士が担当になる頻度は?
既に現場の3〜4割を外国人整備士が占める店舗も増加中。今後さらに増加が予想されます。
まとめ:外国人整備士は「不安要素」ではなく「新しい整備力」
- 整備士不足時代の救世主として活躍中
- メーカー直轄研修で高い技術力を保持
- 日本語教育+現場OJTで接客も安心
- 新技術への順応力がむしろ高い傾向
- 今後は整備現場の新たな主力人材になる
これからの整備現場は国籍を超えた「グローバル整備士チーム」が当たり前になっていくでしょう。
ユーザーとしては安心して整備を任せられる時代が、すでに始まっています!