今日から始まるお盆休みは、帰省やレジャーで自動車を使う機会が増える時期。しかし、そんな時期に限って「エンジンがかからない」「異音がする」「警告灯が点灯する」など、輸入車ユーザーを悩ませるトラブルが発生しがちです。
筆者はJAF会員歴30年。これまで様々なトラブルを経験し、JAFのロードサービスに助けられてきました。今回は、お盆に発生しやすい輸入車トラブルと、その対策方法を紹介します。
お盆期間中に起きやすい輸入車トラブル
国産車に比べ、輸入車は構造や部品の違いから、日本の高温多湿な夏に不具合が出やすいことがあります。特に以下のようなトラブルが多発します。
- バッテリー上がり:輸入車は電装系の消費電力が多く、数日乗らないだけで電圧低下することも。
- 冷却系のトラブル:ラジエーターやサーモスタットの異常で、オーバーヒートしやすい。
- 警告灯点灯:ECUの誤作動やセンサー不良で突然の警告灯。エンジンチェックランプは特に厄介。
- タイヤのパンクや劣化:長距離走行前に点検していないと、バーストのリスクが高まります。
これらのトラブルは突発的であり、予測が難しいもの。特にお盆期間中はディーラーや整備工場が軒並み休業しているため、修理がすぐにできません。
トラブルが起きた時に「どこに連絡すればいいのか分からない」不安
「走行中に警告灯が点いたけど、近くにディーラーも整備工場も見当たらない…」
「保険会社に連絡したけど、レッカー搬送は有料だと言われた…」
そんな状況に陥ったことがある方もいるのではないでしょうか。
特に輸入車は、部品の在庫がなければ修理ができず、営業再開までレッカー先で“足止め”になるケースも。
こうした不安を解消するには、「どこに連絡するか」「どこへ運ぶか」を事前に考えておく必要があります。
対策①:JAFに加入しておく
筆者が30年にわたり頼りにしているのがJAFです。JAFは「車両」ではなく「人」に付帯するため、マイカー以外のレンタカーや二輪車でも使えます。
特に輸入車ユーザーにとっては、JAFの以下の点が安心材料になります。
- 24時間・年中無休で出動可能
- キー閉じ込み・バッテリー・タイヤ・レッカーまで幅広く対応
- レッカーは20kmまで無料。超過分も良心的
もし非会員でトラブルに遭った場合、レッカーだけでも2〜3万円は覚悟が必要。さらに、ネットで検索して出てきた業者が必ずしも「良心的価格」とは限りません。
中には、最初に表示された価格が安くても、後から高額請求(JAF10年分に相当)されるケースも報告されています。
これを避けるためにも、JAF会員になっておくことは“お金で安心を買う”最善策です。
対策②:自動車保険のロードサービス特約を確認
任意保険にロードサービスが付いていることもありますが、注意が必要です。
- レッカー距離に制限がある(15km以内など)
- 対応内容が限定される(バッテリー・ガス欠のみなど)
- 休日の対応が間に合わない場合も
JAFと保険会社の両方を併用すれば、より幅広く対応が可能です。保険証券を確認し、足りない内容をJAFで補完しましょう。
対策③:お盆前の事前点検を忘れずに
お盆直前は整備工場の予約が集中します。早めに以下をチェックしましょう。
- バッテリーの電圧・劣化具合
- 冷却水の量と汚れ
- タイヤの空気圧・摩耗・ひび割れ
- ブレーキパッド・ランプ類
- エアコンの効き具合(暑さ対策も含む)
特に輸入車は、部品の調達に時間がかかるため、不調が見つかった場合は早めの修理が必須です。
対策④:レッカー先を事前に調べておく
万が一レッカーを呼ぶ事態になったとき、最寄りの提携整備工場が休業中であれば困ってしまいます。
そこで以下のような準備をしておきましょう。
- 自宅近く/出発地/目的地付近の整備工場リストを用意
- 輸入車対応の工場を事前に確認(外車専門店、ディーラーなど)
- JAFや保険のアプリに施設情報を登録
特に遠出の予定がある方は、目的地周辺の整備工場が休業かどうかも確認しておくと安心です。
まとめ|「何もなければそれでOK」の準備が、トラブル回避のカギ
お盆の時期は、渋滞・暑さ・メンテナンス不備などが重なり、特に輸入車ユーザーにとってはリスクが高まります。
JAFに入っておく、自動車保険の内容を見直す、整備工場を事前に調べておく…これらの対策は、ほんの少しの手間で「不安を安心に変える」効果があります。
大切な人との夏の思い出を台無しにしないためにも、今のうちから備えを進めておきましょう。
JAF会員歴30年の筆者が断言します。「何もなければそれで良し、あったときには助かる」――それがJAFの価値です。