平日の夜に車に乗ると、正月が少しだけ遠くなる話

平日の夜に車に乗ると、正月が少しだけ遠くなる話

仕事始めから、数日が経った。
カレンダーを見れば、もう完全に平日だ。
曜日感覚も戻ってきたし、朝の目覚ましにも少し慣れた。

それでも、
正月が完全に消えたかというと、そうでもない。

街はもう通常運転だし、
スーパーのBGMも正月仕様じゃない。
ニュースも、年末年始の話題から離れている。

なのに、
体のどこかに、まだ正月が残っている。

「もう慣れたはず」と「まだ慣れていない」が同時にある

1/6の夜よりは、楽だ。
それははっきり分かる。

仕事の流れも思い出してきたし、
メールの処理にも、そこまで時間はかからない。
「ああ、こんな感じだったな」と思い出す瞬間が増えてきた。

でも同時に、
まだ完全じゃない。

朝は相変わらず眠いし、
夜になると、思った以上に疲れている。
「もう平日だよね?」と、自分に確認したくなる瞬間がある。

慣れた部分と、慣れていない部分が、
同時に存在している。

この感じは、
正月明け特有だと思う。

平日の夜は、気持ちを置く場所が少ない

平日の夜は、忙しい。
仕事を終えて、帰ってきて、
ご飯を食べて、風呂に入って、
気づいたら、もう寝る時間だ。

正月みたいに、
「何もしなくていい時間」は、ほとんどない。

それでも、
気持ちだけは、まだ少し余っている。

使い切れなかった正月の余白みたいなものが、
行き場を失って、体の中に残っている。

平日の夜は、
その余白をどう扱えばいいのか、
少し分かりにくい。

車に乗ると、時間の流れが変わる

そんな夜に、車に乗る。

別に、遠くに行くわけじゃない。
用事があるわけでもない。
ただ、少しだけ走る。

車に乗ると、
時間の流れが変わる。

家にいるときは、
「次はこれ」「次はあれ」と、
時間が区切られている感じがする。

でも車の中では、
今やっていることは、ただ一つ。
前を見て、走ること。

その単純さが、
平日の夜には、ちょうどいい。

正月が「思い出」になり始める瞬間

走っていると、
正月の記憶が、少しずつ変わっていく。

昨日のこと、というより、
少し前のこと、みたいな距離感になる。

「ついこの間」だったはずなのに、
もう、今とは別の時間だったように感じる。

たぶんこれが、
正月が遠くなっていく感覚なんだと思う。

完全に忘れるわけじゃない。
ただ、今の自分の真ん中から、
少しずつ外れていく。

平日に戻ることは、悪いことじゃない

正月が遠くなると、
少し寂しい気もする。

あのゆっくりした時間が、
もう戻らない感じがして。

でも同時に、
平日に戻ること自体は、
悪いことじゃないとも思う。

日常があるから、
たまに休みがある。
ずっと正月だったら、
きっと正月の良さも薄れる。

そう思えるようになるのも、
たぶん、1/8くらいからだ。

車内は、切り替えを急がせない

車の中では、
「もう切り替えなきゃ」と言われない。

ちゃんと前を向いていなくてもいいし、
前向きな気持ちじゃなくてもいい。

ただ、今の自分のままで、
走っていればいい。

正月が名残惜しい自分も、
平日に慣れきっていない自分も、
そのまま乗せてくれる。

それが、
この時期の夜に車に乗る理由かもしれない。

戻る途中にいる感じが、ちょうどいい

完全に戻る必要はない。
でも、戻り始めてはいる。

その「途中」にいる感じが、
1/8の夜には、ちょうどいい。

正月を引きずりすぎてもいないし、
無理に切り替えてもいない。

ただ、
少しずつ日常に近づいている。

車を停めて、エンジンを切る。
さっきより、
正月は少しだけ遠い。

それでいい。

平日の夜は、
こうやって、
少しずつ戻っていけばいい。