毎年のように発生する台風やゲリラ豪雨。被害を受けた後に「道路は大丈夫?」「車はちゃんと動く?」と心配になる方は多いのではないでしょうか。特に冠水や浸水のリスクがある地域では、知らずに車を走らせると大きな事故につながる可能性があります。
この記事では、台風・豪雨後に必ずチェックしておきたい道路状況と車のメンテナンスについて、わかりやすく解説します。さらに地域別に注意すべき危険箇所もあわせて紹介します。
1. 台風・豪雨後に道路を走る前の基本チェック
道路そのものが危険な状態になっている場合があります。運転前に次の点を確認しましょう。
- 冠水していないか:水が10cm以上溜まっている道路は進入禁止。エンジン停止や車両浸水のリスク大。
- 路肩の崩落:山間部や川沿いでは土砂崩れの可能性あり。
- 落下物:枝や石が路面に散乱していないか。
- 信号・街灯:停電で機能していない場合があるので要注意。
2. 車の外観チェックリスト
- タイヤの状態:異物が刺さっていないか、空気圧は適正か。
- ブレーキ周り:水に浸かった場合、ブレーキの効きが悪くなるので要チェック。
- バンパー・下回り:泥や石が付着していないか。
- ライト類:前照灯、尾灯、ウィンカーが正常に点灯するか。
3. エンジンルームの確認
- バッテリー:水濡れや端子の腐食がないか。
- エアフィルター:濡れている場合は交換が必要。
- オイル:オイルキャップに白濁(乳化)があれば水混入の可能性。
- ベルト類:異音や滑りがないか。
4. 室内のチェック
- カビ臭い・泥臭い匂いがないか
- カーペットやマットが湿っていないか
- 電装品(パワーウィンドウ、カーナビ、ETC)が正常に動作するか
5. 試運転チェック
- ブレーキを数回踏み、効き具合を確認
- 低速で直進し、異音や振動がないか
- ハンドル操作に違和感がないか
- ETCゲートを通過する際に通信異常がないか
6. 高速道路利用時の注意点(ETCドライバー向け)
- 通行止め情報:台風後は長時間の規制がかかることも。必ず事前にNEXCOの公式サイトをチェック。
- サービスエリアの状況:停電や断水で利用制限がかかる場合あり。
- 路面状態:水はけが悪い区間ではハイドロプレーニングの危険。
- ETCカード:水濡れによる不具合がないか事前に確認。
7. 地域別に注意したい危険箇所
関東エリア
荒川、多摩川流域では氾濫や冠水リスクが高い。首都高や外環道も一部トンネル区間で浸水の可能性があるため要注意。
関西エリア
淀川や大和川流域での冠水事例が多く、京奈和道や阪神高速の一部区間では大雨後に通行止めになるケースもあります。
東北エリア
北上川、阿武隈川流域での氾濫が過去に多発。東北道や常磐道の低地部分は冠水リスクが高いとされます。
九州エリア
筑後川や球磨川流域での氾濫歴があり、九州道や大分道の橋梁区間では通行止めが発生しやすいです。
中部エリア
長良川、木曽川流域は豪雨で水位が急上昇することが多い。東海北陸道の山間部では土砂崩れによる規制も想定されます。
8. 万が一のときの対応
- 自走が不安ならJAFや任意保険付帯のロードサービスを利用
- 修理工場やディーラーで点検を受ける
- 浸水が疑われる場合は「冠水車」として修理対応を断られるケースもある
まとめ
台風・豪雨の後に「まあ大丈夫だろう」と走り出すのは危険です。道路も車も目に見えないダメージを受けている可能性があります。この記事で紹介した道路点検・車メンテナンスのチェックリストを活用し、安全を最優先にしてください。
地域ごとの危険箇所を知っておくことで、事前の備えやルート選択に役立ちます。特に長距離ドライブや高速道路を利用する際は、ETCゲートを通る前にカードや通信状態も確認を。安全運転で、秋の行楽シーズンを安心して楽しみましょう。