
3月の夜、意味もなく車に乗りたくなる理由
3月の夜になると、
ときどき、理由もなく車に乗りたくなる。
どこかへ行きたいわけじゃない。
用事があるわけでもない。
ただ、
「少し走りたいな」
という気持ちだけが残る。
冬の夜とは、明らかに違う
1月や2月の夜は、
できるだけ外に出たくなかった。
寒くて、
暗くて、
家の中にいたほうが楽だった。
でも3月の夜は、
同じ暗さでも、
どこか違う。
寒いのに、閉じた感じがしない
気温だけ見れば、
まだ冬だ。
でも、
夜の空気が、
少しだけ軽い。
厚手のコートが必要なのに、
心まで閉じる感じがしない。
「意味がない」ことが、ちょうどいい
3月は、
意味を求めすぎると、
少し疲れる。
新年度。
変化。
準備。
そういう言葉が、
あちこちから聞こえてくる。
だからこそ、
意味のない行動が、
ちょうどいい。
車は、理由を聞いてこない
車に乗るとき、
誰にも説明しなくていい。
どこへ行くのか。
何のためなのか。
そういうことを、
聞かれない。
ただ、
エンジンをかけて、
走るだけ。
夜の道路が、少しだけ動きやすい
3月の夜は、
道路の空気も変わる。
冬ほど緊張していない。
夏ほど騒がしくもない。
信号待ちの時間も、
なぜか長く感じない。
この感じが、
車に乗りたくなる理由の一つだと思う。
昼間の感情を、夜に持ち越したくない
3月の昼間は、
考えることが増える。
これからどうするか。
何が変わるか。
はっきりしないことばかりだ。
それを、
家の中まで持ち帰りたくない夜がある。
走っていると、答えがいらなくなる
車を走らせている間、
何かを決めなくていい。
考えは浮かんでも、
結論を出さなくていい。
ハンドルと、
アクセルと、
前の道。
それだけで、
夜は進んでいく。
春は、動きたくなる前段階
3月は、
まだ本格的に動く季節じゃない。
でも、
ずっと止まっている感じでもない。
その中間の状態が、
「意味もなく車に乗る」
という行動につながる。
遠くへ行かなくていい
長距離ドライブじゃなくていい。
同じ道をぐるっと回るだけでもいい。
大事なのは、
移動したという感覚だけだ。
車を降りると、少し落ち着く
家に戻って、
車を降りる。
何かが解決したわけじゃない。
でも、
さっきよりは、
気持ちが静かだ。
3月の夜は、そうやって使えばいい
意味を探さない。
成果を求めない。
ただ、
少し動く。
3月の夜、
意味もなく車に乗りたくなる理由。
それは、
春に向かう途中にいる、
ちょうどいい状態だからだ。






